Google流 マネジャーの打ち手|『マネジャーの最優先事項』著者陣による実践ブログ

管理職研修「1日プログラム」の組み方——1日でできること・できないこと

作成者: 水野ジュンイチロ|2026年7月28日

1日のマネジメント研修でできるのは「気づきを与え、型を渡す」ところまで。行動の定着や組織文化の変化までは、1日単発では届きません。だからこそ、1日研修は「何を得て、何は得られないか」を最初に理解し、フォローの設計とセットで組むことが成否を分けます。この記事では、1日プログラムの現実的な組み方と、正直な限界を整理します。

1日でできること

1日(約6〜7時間)あれば、次のことは十分に狙えます。マネジメントに対する意識の転換(プレイヤー目線からマネジャー目線へ)、共通言語の獲得(チームで同じ考え方・用語を持つ)、そしてすぐ試せる型の入力(1on1の問い方、フィードバックの型など)。受講後に「明日からこれをやってみよう」という一手を持ち帰らせるところまでが、1日研修の到達点です。

タイムテーブル例(1日・管理職向け)

時間帯 内容
午前前半マインドセット転換(管理型 vs 伴走型)/自チームの現状ふりかえり
午前後半チームを理解する/1on1の問いの設計(ワーク)
午後前半目標のつくり方(WHYから始める)/フィードバックの型(ロールプレイ)
午後後半場づくり・心理的安全性/個人アクションプラン作成・共有

ポイントは、講義を詰め込みすぎず、ワークとロールプレイに時間を割くこと。そして最後に、各自が「職場で試す1つの行動」を言葉にして持ち帰ることです。

1日でできないこと(正直な限界)

一方で、1日では届かない領域があります。ここを曖昧にすると、「研修を受けたのに変わらない」という失望につながります。

  • 行動の定着——型を知ることと、現場で使い続けることは別です。定着には反復とふりかえりが要ります。
  • 個別の深いコーチング——一人ひとりの固有の課題に踏み込むには、少人数・複数回の関わりが必要です。
  • 組織文化の変革——心理的安全性やマネジメント文化は、1日の研修だけでは変わりません。日々の運用の積み重ねが要ります。

限界をどう補うか

1日研修を活かすコツは、単発で終わらせないことです。研修から数週間〜数ヶ月後にフォローアップ研修を挟む、受講者どうしが実践を報告し合う場を設ける、上司が1on1で研修内容の実践を後押しする——こうした仕組みを前後に組むと、1日の入力が行動へと変わっていきます。予算が限られる場合でも、「1日研修+簡単なフォロー」の組み合わせは検討する価値があります。

1日研修が向くケース・向かないケース

1日型が向くのは、全員に共通の考え方や型を一度に入れたいとき、まずは小さく試してみたいとき、予算や日程が限られているときです。逆に、一人ひとりの深い行動変容や、組織のマネジメント文化そのものを変えたい場合は、複数回の連続プログラムや継続的な伴走のほうが適しています。1日でやりきろうとせず、「1日で入力 → 現場で実践 → フォローで定着」という流れの起点として位置づけると、投資が生きます。

よくある質問

Q. 1日の管理職研修で効果は出ますか?

A. 意識の転換・共通言語・すぐ試せる型の獲得までは1日で狙えます。ただし行動の定着や文化の変化には、フォローアップや実践の後押しをセットで設計する必要があります。

Q. 半日でも実施できますか?

A. 可能ですが、扱えるテーマは絞られます。半日ならテーマを1〜2点に集中させ、ワーク中心にするのが現実的です。目的に応じて時間配分を相談するのがおすすめです。

Q. オンラインでも1日研修はできますか?

A. 可能です。オンラインでは集中が続くよう休憩をこまめに入れ、少人数のブレイクアウトでワークを増やすと効果的です。対面より一体感は出にくいため、事前課題や事後フォローで補うとよいでしょう。

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